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【第4回】準確定申告と相続税の申告

前回までに、相続人の確定や財産の把握、遺産分割協議についてご紹介しました。
今回は準確定申告と、相続税の申告について見ていきたいと思います。

準確定申告

被相続人が亡くなり、その年(1月1日から亡くなった日まで)に一定の所得があった場合、
相続人は被相続人の代わりに確定申告をして所得税を納めなければなりません。
これを準確定申告といいます。

準確定申告は相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に行わなければなりません。
翌年の3月15日が期限ではないので注意しましょう。

  1. 準確定申告が必要になるケース
    ・個人事業を行っていた
    ・2,000万円を超える給与収入があった
    ・メインの給与所得以外に20万円を超える所得があった
    ・アパートなどの賃貸収入があった
    ・株式や不動産などの売却収入があった
    〈した方がいいケース〉
    ・年の途中で退職して年末調整を受けていない
    ・医療費控除などにより還付を受けられる
    など

相続税申告書の作成

相続税の申告書には、すべての相続人の相続内容と相続税額を記入することとなります。
これまで相続人を確定したり、財産把握をしてリストを作成したりしてきました。
また、第2回のブログで財産はお金に換算する、とお伝えしましたが、
これらは相続税の計算に必要だったからなのです。
財産をお金に換算することを評価といいます。
主な財産の評価方法をご紹介します。

  1. 主な財産の評価方法
    ・土地
    路線価方式と倍率方式の2つがあります。
    路線価方式は、その宅地が接する道路毎につけられた価格(路線価)をもとに評価する方法。
    倍率方式は、路線価のつけられていない宅地において固定資産税評価額に一定率を乗じて
    評価する方法。
    ・建物
    家屋はその敷地と区別して評価し、
    固定資産課税台帳にある固定資産税評価額がそのまま評価額になります。
    建築中の場合は、相続開始日までにかかった建築費用×70%で評価します。
    ・株式
    上場株式は、相続開始日の終値、相続開始月を含む前3ヶ月間の各月平均額の
    4つの価格のうち最も低い価格を評価額として採用します。
    ・書画、骨董品など
    売買実例価格、精通者意見価格(専門家による鑑定価格)などから評価します。

財産から債務を控除した額が基礎控除以下であれば申告は不要です。

相続税の基礎控除
3,000万円+600万円×法定相続人の数
※法定相続人 … 民法で定められている相続人。実際の相続人とは異なることがあるため注意。

相続税の申告が必要となれば、これらの金額を法定相続分で分け、相続税額の計算をします。
条件に当てはまれば適用することができる税額控除があるのでいくつかご紹介します。

  1. 税額控除の例
    ・配偶者の税額軽減
    配偶者が財産を相続した場合、
    「法定相続分」と「1憶6,000万円」のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。
    ・未成年者控除
    相続人が18歳未満の未成年者の場合、その相続税額から一定額を差し引くことができます。
    ・障害者控除
    相続人が85歳未満の障害者である場合、その相続税額から一定額を差し引くことができます。

税額控除も考慮して各相続人の相続税を算出し納付税額を求めたら、申告書に記入します。
特例や税額控除の適用により相続税がゼロになった場合でも申告が必要ですので注意してください。
なお、これらの計算は複雑な部分もありますので、詳しくは税理士などの専門家にご相談ください。

相続税の申告、納付

相続税は相続開始日より10ヶ月以内申告・納付をしなければなりません。

申告書は被相続人の住所を管轄する税務署に提出します。
納付は各人が別々に行ってもかまいません。

終わりに

相続税の申告・納付までをご紹介しました。
次回で相続の流れの連載は終わりとなります。
最後となる次回は、相続した財産の登記や名義変更と申告後の税務調査についてご紹介します。

※可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、誤った情報や古い情報が入り込んでいる可能性がございます。詳しくは税理士などの専門家にご相談ください。

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