相続はその人が亡くなった日から始まります。
相続税の申告・納付の期限は相続開始日から10ヶ月以内です。
余裕があるように見えますが、
実は相続はやるべきことがたくさんある上に、
期限が決まっているものも多く油断は出来ません。
いざという時に備えて、申告・納付までの10ヶ月の流れをお伝えしたいと思います。
第1回は亡くなってから遺言書の有無の確認までをご紹介します。
亡くなってすぐの手続き
- 死亡に関する届け出
亡くなってから7日以内に、市区町村役場へ死亡届を提出しなければなりません。
このとき、医師が作成した死亡診断書を添付します。
死亡届の提出により、火葬(埋葬)の許可証が交付されます。
亡くなった方が世帯主であれば、
亡くなってから14日以内に世帯変更届の提出も行いましょう。
- 葬儀や告別式
葬儀の費用は、相続税の計算上相続財産から差し引くことができます。
かかった費用は記録し、領収書は保管しておきましょう。
また、請求すれば国民健康保険の場合は葬祭費(数万円)、
健康保険の場合は埋葬料(5万円など)が遺族に支給されます。
- 金融機関へ死亡の届け出、公共料金の名義変更
被相続人名義の電気、ガス、水道、電話などの振替口座は、
すみやかに変更手続きを行いましょう。
- 健康保険の資格喪失届、年金の受給停止手続き
被相続人が加入していた健康保険には、
死亡の届け出と保険証の返還などが必要です。
手続きは加入していた健康保険によって異なりますので、
市区町村や健康保険組合などに問い合わせて確認をしましょう。
被相続人が年金受給者だった場合、
年金事務所などにすみやかに「年金受給権者死亡届」を提出しましょう。
また、亡くなった月の年金を受け取れる場合には、
「未支給年金請求書」を一緒に提出しましょう。
- 生命保険金の請求手続き
生命保険金を受け取れる場合は、保険会社に請求を行います。
保険会社の担当者や、窓口、コールセンターへ電話で連絡し、必要書類を送ってもらいます。
この際、保険証券があればすぐに内容が確認出来てスムーズです。
送られてきた請求書類を提出すれば、早くて1週間程度で支払われます。
請求書類の提出時は、保険証券や被保険者の住民票除票、死亡診断書、
保険金受取人の住民票、戸籍謄本、印鑑証明書などを併せて提出します。
遺言書の有無の確認
遺言書とは、被相続人が自分の財産を「誰に、どれだけ、どのように」残すのか、
意思表示した文書です。
遺言書の有無は遺産分割を大きく左右するため、
相続開始後はまず遺言書があるかどうかよく調べましょう。
公正証書遺言の場合は、公正役場に問い合わせれば有無を調べてもらえます。
自筆証書遺言などの場合、家庭裁判所による検認を受けなければなりません。
検認とは家庭裁判所が遺言書が被相続人によるものであることを確認し、
偽造などを防ぐ為に遺言書の形状や日付などを認定することです。
封がされている遺言書は勝手に開けないよう注意しましょう。
遺言に基づき各相続人に遺言を分割します。
遺言書で遺言執行者が指定されている場合、
その人が遺言書の内容を実現する実務を行います。
遺言書で遺言執行人の指定がなければ、
家庭裁判所に利害関係のない専門家などを選任してもらうことも出来ます。
終わりに
いかがでしたか。
今回ご紹介した内容だけでも、やるべきことが多いことが伝わったのではないでしょうか。
次回は相続人の確定や財産把握についてをご紹介します。
※可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、誤った情報や古い情報が入り込んでいる可能性がございます。詳しくは税理士などの専門家にご相談ください。